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GIVE&TAKE:ただのいい人と成功するいい人

2020年6月9日

GIVE&TAKE:ただのいい人と成功するいい人

GIVE&TAKE:ただのいい人と成功するいい人

今回は、TEDで公開されている「Are you giver or taker」というアダム・グラント氏のスピーチをもとに

「ただのいい人」になってはいけないというお話をしてみます。

人々をその特性により、ギバー(Givers)テイカー(Takers)マッチャー(Matchers)の3つに分類して、どのような行動をとり、どのような影響をあたえるかを研究したそうです。

このスピーチで話された内容の紹介に僕の解釈と考えを交えてお話します。

この記事でお伝えしたいこと

  • 与える人「ギバー(Givers)」が最も成功する
  • ただし、奪う人「テイカー(Takers)」に気を付けないと燃え尽きてしまう
  • 与える人「ギバー(Givers)」とバランスをとる人「マッチャー(Matchers)」で構成された組織が理想

上記に興味がある人は目次に沿ってお進みください。

もしまだ「Are you giver or taker」をご覧になったことがない方は、アダム・グラント氏のスピーチだけでも聴いてみる価値はあると思います。

ギバー(Givers)とテイカー(Takers)とマッチャー(Matchers)

まず、このお話で登場する3つのタイプを紹介します。

ギバー(Givers)とテイカー(Takers)とマッチャー(Matchers)の3つに分類されており次のような特徴を持っています。

ギバー(Givers)

ギバー(Givers)
ギバー(Givers)

「何をしてあげようか

ギバーは、人との関わりにおいて「何をしてあげようか」と常に考えているタイプの人です。

自然に、誰かに何かを与えることのできるいわゆる「いい人」です。

見返りを期待していないのも特徴でで、知らず知らずのうちに自己犠牲になってしまうリスクを持っています。

テイカー(Takers)

テイカー(Takers)
テイカー(Takers)

「何をしてもらおうか

テイカーは、人との関わりにおいて「何をしてもらおうか」と常に考えているタイプの人です。

常に、利己的な考えを中心に誰かから何かを奪うことを狙っています。

短期的には成功しやすいタイプのようですが、長続きするのでしょうか。

マッチャー(Matchers)

マッチャー(Matchers)
マッチャー(Matchers)

「何かしてもらったら、その分お返ししよう」
「何かしてあげたら、その分は返してもらおう」

ギバー(Givers)とテイカー(Takers)のバランスをとろうとするタイプの人です。

どちらかに偏るわけでもなく、うまくその組織の特性に合わせて動くという特徴を持っています。

一見、いちばん良さそうに見えますね。

タイプ毎の成績

giveandtake
注)「Are you giver or taker」内で使われた表のイメージを真似た図

アダム・グラント氏の研究によると

ギバー(Givers)とテイカー(Takers)とマッチャー(Matchers)の分類に分けて様々な職種、様々な指標で成果をまとめてみると、どのパターンの結果も上記の例のような特徴がみられるそうです。

最低の成績をだした人の特徴は、「ギバー(Givers)」でした。

そして、最も成果を上げた人の特徴も「ギバー(Givers)」でした。

セールスマンの営業成績、エンジニアの生産性、医学生の成績どれも同じような結果になり、「ギバー(Givers)」が最高成績となっているそうです。

燃え尽きてしまうギバー(Givers)

成功できないギバーは、自分を犠牲にしてでも相手に尽くし、テイカーに奪われて燃え尽きてしまいます。

助けるだけ助けて何もの残らない「自己犠牲」と言えるタイプのギバーです。

このタイプのギバーは、自分の力だけで相手を助けようとしてしまいます。

このタイプのギバーは、組織にとってとても大切な人材ですが、悪質なテイカーにより奪われて燃え尽きてしまいます。

せっかく、与えることのできる「いい人」なので是非とも成功してほしいです。

自分を守ること、周囲を頼ることをもっと意識してほしいですね。

成功するギバー(Givers)

成功できるタイプは、相手のため、周りのために動き、相手を満足させることで信頼を得てまた新しい依頼をもらいます。

自分の行動により、関係する組織全体の満足度を高めることを考えています。

成功するギバーは、自分の力だけでなく、周囲の力も頼って相手を助ける影響力のあるタイプのギバーです。

多少のテイカーを相手にしても、周囲の力も利用して助けようとするので個人にかかる負担を減らすことができます。

このタイプのギバーは、周囲のギバーやマッチャーを味方につけることができます。

結果的に関係する組織に対してより大きなものを与えることができるというのも納得できますね。

ギバー(Givers)が成功する組織

ギバーが成功する組織こそ、働きやすく大きな成果を上げやすい組織になりそうだと思いませんか?

そのためにはどうすれば良いのでしょうか。

アダム・グラント氏は次の2つのことが大切だと言っていたと思います。

頼みやすい組織を作る

まず、人を頼りやすい文化を作ることが大切だと言っていました。

誰も助けを求めず「お願い」がない組織では、喜んで力を貸したいと思っているギバーが不満を抱えることになってしまいます。

お互い助け合うという雰囲気を作り、ギバーが動きやすい環境をつくることが大切です。

アダム・グラント氏はう言っていました。

助け合いは、ただ単にギバーの成功や幸福を守るためだけでなく、ギバーのように振る舞う人々を増やすためにも非常に重要です。

テイカー(Takers)を排除する

この話をする際、アダム・グラント氏はこんな表現をしていました。

腐ったリンゴ一つで、樽全体がダメになりますが

いい卵が一つあっても、箱全体の卵がよくなったりはしません

ひとりのテイカーがもたらす悪影響は、ひとりのギバーがもたらす好影響をすべて打ち消すほど強力だという意味で、とにかくテイカーを排除することが大切だということです。

せっかくギバーが活躍しても、テイカーがそれを奪ってしまいます。

その結果、ギバーが燃え尽きてしまうのです。

これは避けたいですよね。

テイカーを排除し、ギバーとマッチャーで構成された組織になると、マッチャーの「周りに合わせる」という特徴が効果的に機能して前述の助け合い効果が生まれ好循環が起こります。

テイカー(Takers)の見分け方

Takers

テイカーを排除できれば、組織に良い効果をもたらしそうです。

では、どのようにテイカーを見分ければよいのでしょうか。

テイカー(Takers)には人当たりの悪いテイカーと、人当たりの良いテイカーの2種類のタイプが居るそうです。

人当たりの悪いテイカーはわかりやすそうですが、人当たりの良いテイカー(いわゆる詐欺師タイプ)を見分けることは難しそうです。

アダム・グラント氏はこのような見分け方を紹介していました。

対象者に以下の質問をします。


自分のおかげでキャリアが劇的に向上したと思う人を4人挙げてください

テイカーは4人の名前を挙げますが、そのどれもが本人よりも影響力のある人の名前です。

ギバーは、自分よりも地位の低い人の名前をあげることが多いそうです。

誇らしげに、自分より地位の高い人の名前を並べる人がいたら、その人はテイカーかもしれません。

燃え尽きないために

テイカーの奪う力によって「自己犠牲」に陥り燃え尽きてしまうギバーがいます。

管理職は、テイカーを組織に入れないことを意識して採用を行うことで対応できます。(見分けることができれば)

しかし、あなたが自分では組織の採用をコントロールできないギバー自身だったとしたらどうすればいいのでしょうか。

「ただのいい人」にならないことを心がけてほしいです。

スキューバ・ダイビングの世界で、バディというシステムがあります。

安全確保のため、2名のペアで潜り、お互いの状態を確認し合う関係です。

ここで、相手にトラブルが起こった時にまず最初に行うべきことは、

自分の安全を確認すること」です。

これは

自分が助からなければ相手を助けることもできない

ということをよく知っているからです。

相手を助ける前に、自分が助かることを意識して動ければ、「自己犠牲」のような状態を回避できるのではないでしょうか。

全体を考えると、自分も誰かを頼らないといけない状態なのかもしれません。

他の人の力も借りて、その人の頼みを聞いてあげることが最善かもしれません。

時には、テイカーの頼みを断ることが自分も含めた全体を助けるために最善なことなのかもしれません。

あなたが燃え尽きてしまっては、誰も喜びません。

まとめ

giveandtake

今回は、「ただのいい人」にはなってはいけないというお話でした。

ここでいう「ただのいい人」は、「燃え尽きてしまうギバー」です。

何度も言うようですが、「だだのいい人」にはならないでください。

この記事でお伝えしたかったこと

  • 与える人「ギバー(Givers)」が最も成功する
  • ただし、奪う人「テイカー(Takers)」に気を付けないと燃え尽きてしまう
  • 与える人「ギバー(Givers)」とバランスをとる人「マッチャー(Matchers)」で構成された組織が理想

人々を特徴に応じて「ギバー(Givers)」、「テイカー(Takers)」、「バランスをとる人(Matchers)」の3つに分類します。

それぞれどのような行動をとり、どのような影響があるかを調査した研究結果によると面白いことが分かったそうです。


どのような職種、指標でも与える人「ギバー(Givers)」が最も成功していました。

しかし、成績が最下位もまた、「ギバー(Givers)」でした。

これは、テイカーにより奪われ、燃え尽きた「ギバー(Givers)」が存在することを指しています。

「テイカー(Takers)」を排除し、「ギバー(Givers)」と「マッチャー(Matchers)」で構成された組織が最も成果をあげやすいようです。

そういう組織をつくりたいですね。

あなたは、ギバーですか? マッチャーですか? それともテイカーですか?

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  • この記事を書いた人

motoya

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